イシスとオシリスの物語 -失われた14個目のパーツはペニス-

冥界の王とされているオシリスは、「死者の王」で冥界の裁判官をしています。

また、穀物の神ともされ、「洪水と植物の王」としても名をはせていました。

[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”v.png” name=”セイヤ”]オシリスは地上を飢餓と食人習慣から救った有能な王[/speech_bubble]

そんな、オシリスがなんと男性性のシンボル

ペニスを失ってしまいます!

それはなぜなのでしょうか。。。

1.はじめに:オシリスってどんな神??

人間の姿をした神、オシリス。

その姿は緑色か、黒色の髭をたくわえており、白冠もしくは、王冠をかぶった姿で描かれています。

身体にはミイラのように布がまかれており

王しか持つことができない「ヘカ」(先の曲がったしゃくの牧杖)と「ネヘハ」(無知)を持っています。

オシリスは主にデルタ地方のブシリスと、上エジプトのアビュドスで崇拝されていました。

1-1.オシリス王がおこなった仕事

オシリスはエジプトをおさめ、さまざまな偉業をなしました。

・人間にパンとワインの製法を教えた

・最初の神殿を建築

・神々の像の制作の監督

・エジプトの町をつくる

・法を定めた

などなど、オシリスはエジプトの基盤を整えた王であります。

 

エジプトといえばミイラですよね。

そのミイラをつくる過程に「秘儀」があります。

その秘儀の創始者としても有名です。

2.本題:オシリスのペニスが行方不明になるまでの物語

時は紀元前2xxx年、エジプト

オシリスは、父が王位を退いた後にエジプトの王となりました。

そして、妹のイシスを王妃として迎えました。

オシリスの妹であり妻のイシス

 

オシリスは王という名にふさわしく

多くの偉業をなし、世界をめぐり、すべての国から称賛される存在でした。

しかし弟のセトが、そのことをよくは思わずにオシリスを陰謀にはめることを思いつきます。

2-1.神々しいがために、ひがまれ殺されてしまうオシリス

その当時、立派な棺に葬られることが誉でした。

弟セトは、オシリスのために立派な石棺を用意し、オシリスを誘い出します。

そしてそのまま、オシリスを石棺に閉じ込めナイル川に流してしまいました。

石棺の中でオシリスは息絶えてしまいます。

 

オシリスの亡骸はビュブロスという地に流れ着き、そこで育ち始めた「ヒース」という木に石棺ごと包まれてしまいます。

ビュブロスの王は、そのオシリスの亡骸が入った大きなヒースの木を切り倒し、宮殿の柱としてしまいました。

2-2.亡骸を取り戻すイシス

どうしても、夫であり王であるオシリスの亡骸を取り戻したい王妃イシスは、亡骸を探す旅に出ます。

ビュブロスまでたどり着いたイシスは、神のお告げで事情をすべて知りました。

 

イシスはビュブロス王妃に気に入られ、王子の乳母となることで宮殿にもぐりこみました。

そしてイシスは毎晩、王子を父子の炎の中に置き、自分はツバメに変身して、オシリスの石棺を取り込んでいる柱のまわりを飛び回っていました。

 

ある日、王妃が王子の部屋に入ってきました。

すると、王子が炎の中に寝かされているのを見て、悲鳴をあげました。

2-3.弟セトに14個に切り刻まれてしまったオシリスの亡骸

ビュブロス王妃に事実がバレてしまったイシスは、夫のオシリスが石棺ごと宮殿の柱の中に入っていることを伝え、その柱が欲しいと懇願します。

その想いが届き、ビュブロス王妃はそのことを許可し、石棺を柱から取り出しました。

そして、イシスはその石棺を受け取り、夫オシリスの亡骸をエジプトへ連れ戻します。

 

しかし、そのことを知った弟セトは嫉妬に狂います。

セトはオシリスの亡骸が収められた石棺を見つけ出し

なんと

オシリスの亡骸を切り刻んでしまいます。

さらに切り刻まれた亡骸は、エジプト全土にまき散らされてしまいます。

2-4.見つからなかった14個目のパーツ-ペニス-

イシスは再び、夫オシリスのバラバラになってしまった亡骸を探しに出ます。

弟セトの妹であり妻のネフティスの助けを得て、無事に夫オシリスの亡骸を集めることができました。

しかし、生殖器(ペニス)だけ見つかりません。。。

 

見つからないものは仕方がありません。

ペニス以外のバラバラになった体を集め、

知恵の神「トト」やミイラづくりの神「アヌピス」の力を借り

イシスの癒しと魔法の力でオシリスを蘇らせました。

 

もちろん、蘇ったオシリスにはペニスはありません。

今も世界のどこかで、オシリスのペニスは眠ったままなのでしょうか。

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